「モノを買う心理とは、AIDMA理論」では、消費者が商品を知ってから買うまでの一連の流れを紹介しました。
消費者が購買を決定するまでの間には、段階的プロセスが存在しており、この壁を見事乗り越えたものだけが「購入する価値がある」と判断されます。
商品を買おうと思った時どのような心の動きをしているのか?
買うのをしぶっている瞬間を見極めるにはどうすれば良いのか?
どうすれば購入してくれたのか?
消費者に選ばれるためには、消費者がどの段階にいるのか?どの段階で止まっているのか?消費者の気持ちの動きを理解し、プロセスを刺激するためのプロモーション戦略を立てる必要があります。
また、消費者がどの段階で立ち止まり購入に至らなかったのかがわかれば改善することもできます。
今回はこの意思決定プロセスを理解するために、フィリップ・コトラーが提唱している、5段階の購入意思決定プロセスを詳しく説明していきます。
購入に至る意思決定プロセスは以下の5段階に分けることができます。
◾️5段階の購入意思プロセス
- 問題意識
- 情報検索行動
- 代替品評価行動
- 購買決定
- 購買後評価
1.問題意識
→自分が欲しいと思っているニーズを認識する段階
何が欲しいのか?何を必要としているのか?ということに気づいた段階。
消費者がこの段階で止まっている場合は、プロモーション戦略を練り直す必要があります。
2.情報検索行動
→ニーズを満たすための解決方法を検索する段階
自分のニーズを満たす商品に関する情報を探します。
ネットで必要な情報を検索してみたり、実店舗に行って商品を探してみたりします。
ほかには、家族や友人の口コミ、テレビCMや新聞広告やネット広告などの情報源も含まれます。
この段階で止まっている消費者に対しては、流通チャネルの見直しなどが考えられます。
3.代替品評価行動
→自分のニーズを満たすためにはどの商品が合致するのか?評価する段階
情報検索で集めた情報や候補にあがった商品の中から、「デザイン」「コスパ」「機能」などを考慮した上で、どれが一番買うに値する価値があるのか?と比較したり評価していきます。
消費者によって比較・評価の基準が違いますが、この段階で止まっている消費者に対しては、価格戦略の見直しなどが考えられます。
4.購買決定
→商品を購買する段階
商品の比較・評価が終われば、最後に、自分に最適な商品の購入を決定します。
この段階で止まっている消費者に対しては、購入完了までのプロセスを簡略化するなどが揚げられます。
5.購買後評価
→商品を買った後、自分が買った商品の良い点を探す段階
商品を実際に手に入れた事により、満足したか?失望したか?という商品に対する満足度を経験する段階でもあります。
また、この商品を買った自分の選択は間違っていなかったはずだ…と思いたいため、自分を満足させる情報を検索します。
これは、自分がとった行動は悪くない間違っていないという思いを軽減する、自分を正当化する認知的不協和を解消するための行為です。
認知的不協和の解消をサポートすれば満足度アップ
◾️認知的不協和とは?
相容れない2つの矛盾した認知を抱えることによって生じる、アンバランスな心の状態。不快感や苦痛、心の中の葛藤など。
自分が購入した商品についてポジティブな情報が書かれていると「選んで正解だった!」と嬉しくなるものです。
反対にネガティブなことが書かれていると「この情報は間違ってる!」と思わず反論したくなってしまう否定的な感情が芽生えてきます。
一度購入してくれた顧客は、この認知的不協和を上手にサポートすることによって満足度がアップし、ファンやリピーターになる可能性が高くなります。
また、購入してくれた顧客の商品満足度は、口コミや評価などを通して他の消費者にも影響を与えることになります。
全ての消費者が1から順番にプロセスを進んでいくわけではありません。
緊急性があるものや衝動買いなど、状況や人によって意思決定プロセスが省略されたり前後したりと、いろんなバリエーションが存在しています。
ターゲットである顧客がどのような状況下に置かれているのか?どのようなプロフィールなのか?を正しく明確にして、適切なプロモーション戦略をたてていきましょう。