「良いコピーができた」と自分自身で思ったとしても、周りからの反応が全く得られないということがあります。
もしかしたらそんな時は、避けるべきコピーを書いてしまっているかもしれません。
読まれるコピーの型があるなら、その反対に読まれないコピーの型も存在しています。
あなたの書いているコピーは果たして大丈夫でしょうか?
今回はコピーを書く際に気をつけておきたい、これだけは避けておくほうが懸命、慎重に扱った方がいいというコピーのタイプを紹介していきます。
詩のようなコピー
詩的なコピーは一見、文章に長けた人が書いたレベルが高いコピーと思われるかもしれません。
しかし、あまりにもポエムすぎるコピーは製作者側の単なる自己満足になっていることがほとんどです。
これではセールスコピーライティングの要である「読み手のベネフィットを明確にわかりやすく伝える」から外れてしまい、読み手に何も伝えることができません。
詩としては素晴らしいと高く評価されるものだとしても、抽象的な表現だったり、何が言いたいのか理解するまで時間がかかるものは、伝えたいことが明確にわからないためセールスコピーの役目を果たしません。
かっこつけたキザなコピー
おおげさな表現で現実味が感じられないコピーも避けるべきです。
ここでは、ザ・コピーライティングでも紹介されている宝石のコピーを例にあげます。
夜想曲(ノクターン)
スターサファイア…それはまるでひとすくいのナイトブルー。
月の光と穏やかな暗がりにぼうっと現れ、天の兆しを孕んでいる。その奥深くでは、ベールに覆われた銀の星の6つの弧が動き出し、その美しさに夜を放とうしている。出典元:ジョン・ケープルズ(著)神田昌典(監修) ザ・コピーライティング ー心の琴線に触れる言葉の法則ー(ダイヤモンド社2008年)230ページ
目を覆いたくなるようなくさいセリフの連発で、これでは何も伝わりません。
まるで中二病時代に書いてしまった詩の如く、すかしすぎて読んでいるこちら側まで顔から火が出るような印象を受けます。
このようなコピーはセールスコピーとして無駄に終わるだけでなく、「この広告文書いた人、やっちまったな」と痛い印象を与えることにもなります。
信じてもらえないコピー
消費者は売り手側が思っている以上にかしこいものです。
新聞・テレビCM・雑誌広告・ネット広告など、これまで膨大な量の広告を見せられてきた消費者は、自分たちを騙そうとしている誇大広告を見破るようになりました。
そのため、誇大広告の効果は年々薄まってきています。
さらにネットが普及した現代では、悪意あるものはすぐ暴露され消費者に知れ渡ることになります。
人々のネットリテラシーも年々上昇しています。
仮に一度目はうまく成約につながったとしても「騙された!」と真実を知ってしまった消費者の信頼を失うことになり、何年経っても「これは詐欺広告ではないか?」と警戒心を持たれ広告自体を警戒することにも繋がります。
広告業界自体の信頼度を下げることになり、自分自身の首を絞めることにもなりかねないので、明らかに信じてもらえないコピーも避けましょう。
名刺みたいなコピー
広々とした十分なスペースがあるにも関わらず、会社名・住所・ほんの少しのキャッチコピーだけしか載せていない簡潔すぎるコピーは、まるで必要最低限のことしか載せていない名刺のようです。
これでは読み手に伝えたい情報も十分に伝えることができません。
文字数が少なく情報がなさすぎるセールスコピーは、良い結果を生み出すことはありません。
お利口なコピー
「気の利いたことを書こう」と狙って書いたコピーは、かしこい文章にしようとするあまりに気が利いていないだけでなく、内容もわかりにくいものになります。
きっと狙って書いたんだろうなという魂胆が読み手側にそれとなく伝わるだけでなく、心も全く揺さぶられない…これでは全く報われません。
セールスコピーにお利口さは必要ありません。
かしこいコピーを書こうとするのはやめて、読み手にとってのベネフィットを素直に伝える方がセールスコピーとして機能することは間違いありません。
ユーモラスなコピー
かっこつけたキザなコピーと同様、ユーモアのセンスを出そうとしたコピーもまた失敗で終わる可能性があります。
一見すると、ユーモラスなコピーは興味を引きつけ人々にウケそうだと思うかもしれませんが、感性には個人差があるもの。
例えば、特定グループだけウケていても周囲の人間からすると一体何が面白いのかわからず冷ややかな目で見てしまう。
このような内輪だけで盛り上がっている場面に遭遇したことはないでしょうか?
ユーモラスなコピーも、内輪だけの盛り上がりと同じ現象が起こる可能性があります。
これでは潜在層の見込み客も逃すことになりかねません。
イメージコピーならまだ良いですが、セールスコピーでユーモアなセンスを発揮しようなどと思わない方が懸命です。